ホ・オポノポノの数ある体験談の中で、代表的なひとつとして
あげられているのが、ホ・オポノポノ・アジア事務局代表である
平良ベティさんの体験があります。
ベティさんのお姉さんはうつ病で25年間引きこもりの生活を
されていました。
そんなお姉さんの面倒を一切合財見てきたベティさんもある時、
うつになってしまい同じく引きこもりの状態が10年ほど続いた
そうです。
そして、ふとしたきっかけから友人にホ・オポノポノを勧められ
アメリカにまで行ってセミナーを受講したところ徐々に回復し
ふつうの生活を送れるようになったばかりか、お姉さんまで
回復されたというお話。
他にもホ・オポノポノ関連の書籍や雑誌の体験談にも、うつが
治ったという記事がいくつかある為、うつやその他の精神疾患が
治る希望をいだいてホ・オポノポノを始めされた方も少なくない
のではと思います。
何を隠そう、私もその一人。
しかし、私の場合は全く改善せず、というより少し悪化しました。
私も最初にうつが原因と思われる症状が出始めてから、うつとは
かれこれ10年以上の付き合いになります。
医者にかかりだして数年経っても全然回復する事もなく、いい加減
投げやりな気持ちで諦めていたので、あまり深くうつ病の事を調べる
事もしていませんでした。
というより本当の所はいろいろと本を読んだりして調べる気力すら
起きないほど辛かったのですが。
そうしているうちに、つい最近あることがきっかけでうつ病の事を真剣に
調べるようになり、それこそ膨大な量の本を読んだり、サイトを調べたりして
わかった事とは…………
日本を代表する精神科医のひとりに大野 裕さんという方がいます。
その偉大な大野さんですら、うつ病とは一体何なのか?が本当の
ところわからないと発言されています。
脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった物質の不足のよって起きる
という説も現時点ではあくまで仮説に過ぎず、又そうした物質量を正確に
図るのは極めて難しい。
中には実証出来たと言い張る発表もありますが、それが確かであると
証明するには、同じような患者を数百名集めて来て検査し、そのほとんど
の患者から同じような検査結果が得られなければならない。
さらに厄介なのは、それぞれの患者さんが発病にいたるまでの背景、
環境、子供時代の親などからの影響、などなど患者の数だけさまざまで
『うつ』と一言でくくりきれない問題で、患者の数だけ症状や治療法
があり治った方にしても、果たして一体何が本質的に治るきっかけと
なったかわからないケースが実は本当のところらしいです。
ドラマや映画化すらされて有名になったマンガ『ツレがうつになりまして。』
の登場人物でありうつ病患者だった『ツレ』さんも、沢山うつの本を読んだ
のに自分と同じ症状が見つからず、著者であり奥様でもある細川貂々さんに
「そんな症状はうつじゃない」と批判メールが来るに決まっているから
今からでも出版取りやめて欲しいと涙ながらに訴えたほど。
でも出版されてからは『私とそっくりな症状の方がいて安心しました』
というメールがいっぱいきたそうです。
ちょっと前振りが長くなりましたが、私がお伝えしたいのは、これだけ
本当の原因もわからず、患者一人ひとりの置かれた環境や背景、経験
などによって左右され、症状も千差万別な病に対して。
まるで『これさえあれば全て治る』的な発想は大変危険だと思います。
それが、ホ・オポノポノであっても他のスピリチュアルや自己啓発、
あるいは医学的新療法にしても。
次に『うつ』の方がアファメーションを伴うスピリチュアル系や
願望実現系などのメソッドを実践するリスクについてここからお話し
していきます。
人間誰しも、落ち込むことはあるものですが、大抵は時間の経過や
趣味や旅行、親しい人との相談、おしゃべりなどで、ある程度気が
晴れるものです。
しかし、うつの場合やっかいなのが、そうした落ち込み、不安が
いつまでたっても解消されないどころか、どんどん深みにはまって
しまう点。
例えば、働いている人なら。
・脳の働きが鈍って判断力や集中力、認識力が尋常でないほど落ちるので
仕事でイージーミスが増える。
↓
・上司等に怒られ、いくら注意しても改善されないので、呆れてダメ社員
の烙印を押される。
(さらに、うつの説明をしても、まず本当に理解されることは無いので
かえって叱咤激励されてしまう)
↓
・さらに自分を責め、落ち込むことでより心身共に消耗して余計に
ミスを連発
↓
・結果何が起きても自分を責め、無価値観に苛まれ、そんな自分が
存在するのも申し訳ないとの考えがどんどん強くなる。
いや、ホント私も経験あるのでよくわかるのですが、周りから見たら
笑っちゃいけないけど、つい笑ってしまいそうなほど極端な考えに
はまって抜けられなくなり、当の本人はいくらその極端さを指摘
されてもそう思えないほど辛いのです。
例えば、ちゃんと会社から許可をもらって休職、自宅療養しているのに
『一日中寝てばかりで、なんの役にも立ててない自分は世間様に
申し訳なく、存在する価値もない』とか。
あるブログの方は(別段技術的な知識は必要ない事務職の方だと思うのですが)
『自分はテレビがどうして映るのか?どうして車がガソリンで走るのか?
そんなことすらわからないのだから存在する価値すらない、消えて
いなくなった方が世の中の為だ』
普通ならバカバカしいと思えるこんな考えを真剣に悩み、自分は
もう終わりだとまで思ってしまうほど、うつ病とは恐ろしいものなのです。
と、ここまで書いてきて、何故うつ病の方にアファメーションが危険か
なんとなくわかっていただけたかもしれません。
ここまで、自分を卑下し、完全に自信を無くし、職場で、家庭で。
下手すると店内や道端ですら『ボヤッとするな!邪魔だ!』と
怒られ、謝る事が多い方が、さらにホ・オポノポノの言葉である
『ごめんなさい』、『許してください』を繰り返し唱えていては
どうなるか、どうなっていくか………..
もう、想像が付きますよね(汗)
残り2つのポジティブな言葉『ありがとう』、『愛してます』
ですら、ここまで精神状態が悪化してしまうとかえって逆効果で
『ありがたいどころか世間様に申しわけなくて申し訳なくて』とか
『自分のような無価値の人間が人様を愛するなんてとんでもない』
とそこまで思ってしまう方も少なくないのです。
他のポジティブシンキングも同様で、
『ツイてる』、『上手くいく』、『私は金持ちだ』、『幸せだ』等と
唱えてもやはりそれらを打ち消す正反対の思いが何倍にも強まって
しまいかえって悪影響を及ぼします。
更には自殺願望、そして発作的な自殺につながるのがこの病の
怖いところ。
周りにいつも誰か見守ってくれる方がいない人は、本当に注意して
下さい。
もし、ほんの少しでも自分の中に苦しさや異変を感じたら直ちに
中断、もしくは中止される事を強くお勧めします。
ただ、先に書いた通り、うつは効果的な治療法も患者一人ひとり
異なるだけに、中には平良ベティさんのように著しい効果が出る
方も少なからずいるのでしょう。
よほど、ベティさんにホ・オポノポノは向いていたのでしょうね。
更にベティさんはヒューレン博士と頻繁にやりとりしたり
会ったりしていたので、つど適切なアドバイスを受けられた
のでしょうが、一般の方で本やDVDを参考に実践されている
方ですと、自分の状態は自分で判断して管理するしかなく
うつの方はその判断能力すら格段に落ちているので、くれぐれも
慎重に進められることを切に願っております。
又、セミナーに出ても同様で参加者一人一人に合わせてアドバイスが
もらえる訳でも無く、運良く質問出来ても『全てはクリーニング』
で片付けられてしまうのは目に見えているので。
最後に、私の場合をお伝えします。
ホ・オポノポノを実践中、体調の方は特にひどくなる事は
ありませんでしたが、常時あった不安感がより強まったり
夫婦間のイザコザがひどく多くなりました。
うつになると、心身のエネルギーが空になってしまい、
理性で感情を抑える事が難しくなるのですが、それが
より悪化してしまったのだと思います。
決して、記憶の為、クリーニングの結果ではないよな〜。
ましてや好転反応では無かったことは、ホ・オポノポノを
完全にやめて以来程なく喧嘩が減ったことでも明らかです。
最後にうつの方、うつ患者のご家族や支える立場の方々へ。
うつに対する知識は多ければ多いほど良いと思います。
かといって、うつ患者本人は元より、ご家族の方も疲れ切って
本を読む気力も無かったり、読んでも頭に入らない状態の方も
多いと思います。
そういう方々でも簡単に、深刻にならずに軽く楽に読める本を何冊か
ご紹介しておきますね。
わかりやすく書かれているけれども、その本質を突く深い事も書かれて
いるので、さんざん知識を詰め込んできた方でも新たな気づきが得られる
良書たちです。
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